2012年8月9日木曜日

0809

http://byoubyou.cocolog-nifty.com/blog/2006/09/post_b710.html より

  「不況になると、大衆の圧力のもとで、あるいはそれがなくても、いずれにせよ大規模な失業を防止するために借入れによって調達された公共投資が企てられるだろう。しかしこの方法をその後の好況のさいに達成された高雇用水準を維持するためにまで適用しようとすると、『実業の主導者』の強い反対に会いそうである。すでに論じたように、永続する完全雇用というものはまったく彼らの好むところではない。労働者は『手に余る』だろうし、『産業の統率者』はしきりに『彼らに訓戒を垂れ』ようとするであろう。さらに、上向運動時の物価上昇は大小いずれの金利生活者にとっても不利になり、ために彼らは、『好況にうんざり』してしまう。
 このような状態においては大企業と金利生活者との利害との間に強力な同盟が形成されそうであり、またそのような状態は明らかに不健全だと言明する経済学者をおそらく一人ならず彼らは見出すことであろう。これらすべての勢力の圧力、とりわけ大企業の圧力によって、政府は、十中八九、財政赤字の削減という伝統的な政策に後戻りしようとするだろう。不況がそれに続き、政府の支出政策は再び彼らの権利を回復することになる」。